はじめに
皆さんはとりのからあげはお好きですか?
おいしい鶏肉をサクサクの衣で包んだ唐揚げは、老若男女に人気のメニューの1つですね。
しかし油が多すぎるため、ダイエット時は敬遠しがちな危険な食べ物でもあります。
さて皆さんは、から揚げにはレモンをかける派ですか?
それとも、かけない派でしょうか?
長きに渡って繰り広げられている「から揚げにレモンをかけるか否か」論争に対して、ダイエットの面から迫ってみたいと思います。
レモンは脂肪の吸収を促進する?
「からあげにレモンをかけるか否か」という問題については、レモンの風味が嫌だという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、この記事ではレモンが唐揚げの脂肪の吸収を妨げるのか、それとも加速させるのかについて考えてみます。
乳化という現象をご存知でしょうか。
乳化とは、分離している2種類の液体をそれぞれの中に分散させることです。
具体的には、水と油は通常混ぜても2層に分離してしまいますが、これに界面活性剤である洗剤を混ぜることで、油は小さな粒となり水の中に混ざるようになります。
食べ物で言えば、マヨネーズやバターソースなどがあります。
細かい粒である乳化した脂肪は、とても消化吸収されやすくなります。
本来分離している水中で油が小さな状態で存在しているため、脂質を分解する消化酵素であるリパーゼが脂肪に働きやすくなるためです。
そしてレモン果汁には、油を乳化させる作用があります。
この理由からすると唐揚げにレモンをかけるなどとんでもないという話になるでしょう。
レモンは脂肪の吸収を抑える?
一方でレモンは脂肪の吸収を抑えるという意見もあります。
レモンには、レモンポリフェノールと呼ばれるエリオシトリン(eriocitrin)という化合物が含まれています。
エリオシトリンは、消化管での脂肪吸収を抑制し、ミトコンドリアの活性化によって中性脂肪の上昇を抑えることがわかっています。
レモンポリフェノールの研究は、脂肪の多い食習慣であるにもかかわらず肥満の割合が少ないイタリア、スペインといった地中海地方の人たちが、レモンを多く食べていることに着目して始まったそうですが、ヒトの生活の知恵というものは侮れないものがありますね。
結論はどっち?
「からあげにレモンをかけるか否か」という問題について脂肪の吸収というダイエットにとっての重要な側面から検討しました。
- レモンは油を乳化させるため、脂肪の消化吸収を促進する
- レモンポリフェノールであるエリオシトリンは、消化管での脂肪吸収を抑制すると同時にミトコンドリアを活性化させ中性脂肪の上昇を抑制する
その結果は、どちらにも根拠があるため甲乙つけがたいと判断します。
からあげにレモンをかけるかどうかは、個人の好みです。
おいしい唐揚げを好きなように食べることでストレスが解消され、それによってまたダイエットをがんばろうという気分になることが大切です。
ところで皆さんは、からあげにレモンをかける派ですか?それとも、かけない派ですか?